Y染色体D系統

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D系統の拡散経路を示す想定図(2017)

Y染色体ハプログループD系統(Yap+) 【アジアの超古代種族】

アフリカ大陸の北東部にいた古代のある一人の男性の遺伝子に起きたYAPと呼ばれる因子を持つ系統。この系統は、Y染色体上の長腕部「DYS287 Yq11」に、約300塩基からなるAlu配列(Alu sequence)の挿入多型を余分に持つことで知られる。

ジャラワ族

アンダマン諸島に住む先住部族の一つであるジャラワ族の男性のY染色体を調査したところ、4人中4人(100%)がハプログループD*(D-174*)系統に属していることが判明した(注1)。これはチベット人に見られるD1a(D-Z27276)系統や、日本列島に見られるD1b(D-M64.1)系統、フィリピンのマクタン島ルソン島のD2(D-L1366)系統の祖系にあたると考えられている(注2)(注3)。

ジャラワ族は、最終氷河期(約2.1万年前)の海面低下していた頃に陸続きのアンダマン半島に移住し、のちの海面上昇によって島となったアンダマン諸島へ取り残され、殆ど外部との接触をせずに生活してきた一族。現在の人口は250~400人と推定されている。アンダマン・ニコバル諸島は17世紀にマラーター王国の支配下に入り、1857年に英国に占領されて政治犯の流刑地となった。英領の植民地支配からインド人を解放させるため大東亜戦争中の1942年には、インド独立を支援して日本軍が上陸。スバーシュ・チャンドラボースに「自由インド仮政府」の実務領土として提供し、日本軍が駐屯して治安維持を行った。このため、ポート・ブレアには「神社」があり、現在も日本語が話せる島民もいる。大東亜戦争の終結後、インドは独立し、アンダマン・ニコバル諸島はインド領に編入され連邦直轄地となった(注4)。
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      (ジャラワ族の男性)              (アンダマン諸島)
注1)崎谷満『DNA・考古・言語の学際研究が示す、新・日本列島史 日本人集団・言語の成立史』(勉誠出版)、153頁
注2)In Andaman Islanders (in the Bay of Bengal, east of India - actually closer to Burma than to India - with D* at a frequency somewhere between 50 and 70%), In Tibetans (with combination of D1 and D3 at about 50%), In Japanese (with D2 about 35% in general, and higher than 85% in Ainu), In medium to small percentages in other parts of mainland Southeast and East Asia, especially among speakers of Tibeto-Burman (such as Qiang with D1 at 30%), Hmong-Mien aka Miao-Yao (such as Yao with D1 at about 10%), and Daic aka Tai-Kadai languages (such as Thai with D* at 10%), In tiny percentages in southern Central Asia (primarily as D3) among Mongolians, Altaians, Kazakhs, and Uzbeks, and in small or tiny percentages of Pacific Islanders (as D*), such as Guam. Note that Guam is listed in a research paper with D* at 17%, but this was one person with a positive result out of six persons tested.
注3)A Genetic Genealogy Community"Y-haplogroup D in Cebu, Philippines"

オンゲ族

アンダマン諸島に住み、狩猟採集生活を行っている先住部族の一つである・オンゲ族(Onge people、ÖngeまたはOngee)のY染色体は、ハプログループD*(D-174*)である(注1)。これは、オンゲ族の男性23人中23人(100%)から得られたサンプルによる解析結果である(注2)。

オンゲ族は、アンダマン諸島のジャラワ族たちと同じく、地球上で孤立した種族の一つで、最終氷河期(約2.1万年前)の海面低下していた頃に陸続きのアンダマン半島に移住し、のち海面上昇によって島となったアンダマン諸島へ取り残され、以後、殆ど外部との接触をせずに生活してきた。オンゲ族は、インド・マレー系の民族とは全く異なるアンダマン諸島系の独自の言語「オンゲ語」を話す。「オンゲ」とは彼等の言語で「真人(完璧な人)」を意味する。2008年の時点で、オンゲ族の人口は約96人。
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        (オンゲ族)            (最終氷河期の海面低下に基づく海岸線)
注1)Nature"Reconstructing Indian Population History"(9.24, 2009)
注2)崎谷満『DNA・考古・言語の学際研究が示す、新・日本列島史 日本人集団・言語の成立史』(勉誠出版)、153頁

タイ人男性

タイ人男性のY染色体を調査したところ、ハプログループD系統が4%検出された。この内訳は、ハプログループD*(D-M174*)が1.33%ハプログループD1a1(D-M15)が2.67%である(注1)。
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          (タイ人男性)


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  • 最終更新:2017-03-22 09:51:51

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