Y染色体D1b1a系統

アフリカ大陸の北東部にいた古代(約6万8,500年前)のある一人の男性の遺伝子に起きたYAPと呼ばれる因子を持つ系統。この系統は、Y染色体上の長腕部「DYS287 Yq11」に、約300塩基からなるAlu配列(Alu sequence)の挿入多型を余分に持つことで知られる。

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(左)D1b系統の分布図   (右)D系統の拡散経路を示す想定図(2017)

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Y染色体D1b1a系統(Yap+)【日本固有種】

分子時計の推算によれば、ハプログループD1b1からハプログループD1b1aへは、約1万6,000年前に分岐した系統である。

蛭川立

人類学者・蛭川立(Tatsu Hirukawa, 1967-  )のY染色体は、ハプログループD1b1a(D-M125)である(注1)(注2)。
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蛭川立の専門分野は、コスモロジーの人類学と意識研究の境界領域。1991年京都大学農学部農林生物学科卒業。1993年同大学大学院理学研究科動物学専攻修士課程修了。1996年東京大学大学院理学系研究科人類学専攻博士課程単位取得退学後、日本学術振興会特別研究員としてお茶の水女子大学生活科学部人間生活学科に在籍。主にこの前後に東~南アジア、中~南米などで心理人類学的調査を行う。2001年江戸川大学社会学部人間社会学科助教授。2004年明治大学情報コミュニケーション学部准教授。ベゼッハ・ヂ・メネゼス大学付属ブラジル心理生物物理学研究所、花園大学国際禅学研究所、ロンドン大学ゴールドスミス・カレッジ心理学科、クイーンズランド大学人文・社会科学部歴史・哲学科科学哲学研究室で客員研究員を歴任。明治大学情報コミュニケーション学部准教授。

注1)蛭川研究室『遺伝子からみた日本列島民の系統』(2016.7.1) 本文中「…また蛭川のY染色体のハプログループはD1b1a(D-M125)で、縄文系である。低いアルコール分解能力と乾型耳垢だということもあわせて考えると、東南アジア由来の縄文人と渡来系弥生人の混血らしい。これは、日本人としては一般的なパターンである。じっさい、日本は旧石器時代から多人種社会であって、多くの日本人は混血なのである」とあり。
注2)蛭川研究室『個人のゲノム解析』(2016.9.4)
注3)オクスフォード大学の遺伝学研究チーム・クリス・テイラースミス (Chris Tyler-Smith)は、日本人男性のY染色体の一塩基多型(SNPs)および縦列反復数(STRs)を解析した結果、天皇家のハプロタイプは(D-CTS8093)に属する系統であると結論づけた。これは藤原氏(O-CTS10145)と並んで日本でもっとも多く子孫を残した系統にあたる。研究チームはサンプル採取と解析の結果、CTS8093の下流に属する系統から夥しく人口の増加が見られ、現在の日本人男性の37%がこの系統に属していることに注目し研究を進めてきた。このCTS8093は、出アフリカを果たした直後の系統ハプログループDに属し、その下流にあたるD1bは日本列島以外では検出されない古代型の特殊なY染色体である。研究チームはこの特有のY染色体の拡散の原因を作った人物は、日本を統治した国家元首・天皇家であると結論づけている。この研究を主導したクリス・テイラースミスは、日本列島で長期間にわたって特定のY染色体を持つ人々が広がった理由として、この島嶼地域において上流階級は一夫多妻が一般的であり、その頂点に君臨する天皇は、神話を根拠として統治機構を完成させ、代々男系男子の子孫であることを絶対条件として皇位を継承してきた。さらに日本列島は、外敵の侵入を防ぐのに都合よく、歴史的に見て他の民族に支配された経験がない。あらゆる面で、古代の系統を温存するのに優れた環境であったのではないかと述べている。


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  • 最終更新:2018-03-26 22:34:37

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