Y染色体O1b1系統

Y染色体ハプログループO1b1a1a系統

O1b系統は、東南アジア、ベトナム、タイなど稲作地帯の発祥。華南から日本列島へ伝播拡散した系統。
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O1b1a1系統の分布図


嘉隆帝(阮福暎)

ベトナム阮朝の初代皇帝(在位:1802-1820)嘉隆帝(阮福暎)のY染色体は、ハプログループO1b1a1a(O-M95)である(注1)(注2)。嘉隆帝は滅亡した広南阮氏の末裔で、幾度も敗北しながら遂に故地を回復し阮王朝を開いた。
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         (嘉隆帝)
注1)"DNA of Nguyen-Phuoc"(Ysearch)
注2)ISOGG Tree(ver.10.79)による表記。原文のISOGG 2009による旧表記では「O2a」である。

バクサントス

フィリピン人・バクサントス(bacsantos)のY染色体は、O1b1a1a1a1a1a1a*(O-F923, subclade-PF3188)である(注1)。バクサントスの父はフィリピン・ブラカン州マロロスの出身。
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注1)The Genographic Project 2.0 "OUR STORY"

朱子

中国宋代の儒学者で朱子学の太祖・朱子(Zhu Xi, 1130-1200)のY染色体は、ハプログループO1b1a1a1a1a2(O-F2890)である(注1)(注2)。これは、現在アメリカに在住している朱熹(朱子)の26世孫の男性ら複数名の子孫から得られたサンプルに基づくものである。この結果に伴って、朱姓で父系を継承してきた明朝の歴代皇帝も皆ハプログループO1b1a1a1a1a2(O-F2890)であろうと推定されている(注3)(注4)。
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           (朱子)

DYS 393 390 19 391 385a 385b 426 388 439 389i 392 389ii
Alleles 13 25 16 11 13 18 11 12 12 14 13 30

DYS 458 459a 459b 455 454 447 437 448 449 464a 464b 464c
Alleles 18 9 9 11 11 29 15 18 28 12 12 15

注2)Zhu Xi, the most influential Neo-Confucian scholar and philosopher in Chinese history, may have belonged to Y-DNA haplogroup Haplogroup O-M95 (O2a1) according to the DNA test of one documented descendant. This finding is significant since Zhu Xi was allegedly a distant cousin several times removed of Zhu Yuanzhang, founding emperor and ancestor of China's Ming Dynasty according to Zhu朱 (surname) records. Given the sample size, however, this result cannot be regarded as conclusive and further testing of other documented descendants of Zhu Xi朱子 is necessary to help confirm or refute this finding. Furthermore, testing of documented descendants of Zhu Yuanzhang would help confirm whether there is in fact a recent, common male ancestry between Zhu Xi and the Emperors of the Ming Dynasty.
注4)ISOGG Tree(ver.11.316)による表記。原文のISOGG 2014による旧表記では「O2a1a(O-M111*, subclade-F2890)」である。

廣西省靈山姚氏

中国廣西省欽州市靈山縣・姚氏のY染色体は、ハプログループO1b1a1a1b(O-F789/M1283, subclade-F1982)である(注1)。これは、廣西省靈山姚氏の男性複数名から得られたデータに基づく(注2)。

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picture from Wikipedia

廣西省靈山姚氏は、中国最古の姓「姚」を継承していると云われ、その先祖は、中国神話に登場する三皇五帝の一人である中国古代の君主・(姚重華)であると伝えられている。中国神話では、舜は顓頊の七世孫とされる(注3)。

注1)分子人類學論壇『廣西靈山姚姓,O1b1a1b1(O-F789)』(2017.1.27)
注2)ISOGG Tree 2017(ver.12.31)による表記。原文による旧表記では「O1b1a1b1(O-F789, subclade-F1982)」である。

Y染色体ハプログループO1b1a2系統

O1b系統は、東南アジア、ベトナム、タイなど稲作地帯の発祥。華南から北上し満洲方面へも拡散した系統。
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O1b1a2系統の分布図


尹莘達

高麗開国の功臣である坡平尹氏の始祖・尹莘達(윤신달, 893-973)のY染色体は、ハプログループO1b1a2(O-F3016)である(注1)。『龍淵寶鑑』によれば、尹莘達は京畿道坡州波平山の麓の出身である。
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          (尹瓘)

DYS 393 390 19 391 385a 385b 426 388 439 389i 392 389ii
Alleles 13 23 15 10 13 17 11 12 11 12 13 28

尹莘達の玄孫に、高麗将軍・尹瓘(Yun Kwan,  -1111)がいる。坡平尹氏は高麗開国の功臣であるにも関わらず、尹莘達以前の家系は不詳である。尹瓘は、文宗の時に科挙に合格し、粛宗の時に宰相となった。11世紀末から12世紀初めにかけて女真族と高麗との軍事的衝突が目だつようになり、1107年に元帥として大軍を率いて女真族の居地である「咸興」平野一帯を占領、咸州など9城を築いた。翌年その功により門下侍中という要職に任命された。尹瓘の代になって、彼の名声が高まり、尹瓘を中心に高祖父の代までの記録を整えたと言われる。彼の母方は新羅・敬順王の孫娘である。

注2)ISOGG Tree(ver.10.92)による表記。原文のISOGG 2014による旧表記では「O1b1b(O-F3016)」である。

Y染色体ハプログループO1b1a2a系統

曹操

中国三国時代の魏の曹操(155-220)のY染色体は、現代の中国人の中では稀なタイプであるハプログループO1b1a2a(O-M268, subclade-F3036)に属していることが解析された(注1)(注2)(注3)。
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           (曹操)

注2)Dienekes' Anthropology Blog"Y-chromosome of Emperor Cao Cao: O2"
注3)Ancient DNA of Emperor CAO Cao's granduncle matches those of his present descendants: a commentary on present Y chromosomes reveal the ancestry of Emperor CAO Cao of 1800 years ago.
注4)ISOGG Tree 2017 (ver.12.50)による表記。原文のISOGG 2014による旧表記では「O2*(O-M268*, subclade-F3036)」である。

曹大光

台湾出身でカナダ・バンクーバー在住の評論家・曹大光(Tomas Tso, 本名:Tah-Kwang Tso)のY染色体は、ハプログループO1b1a2a(O-F993)である(注1)(注2)(注3)(注4)(注5)。
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         (曹大光)
注1)The Genographic Project 2.0 "OUR STORY"
注3)"Tomas Tso"(facebook)
注4)"Tomas Tso"(Google+)
注5)ISOGG Tree(ver.11.316)による表記。原文のISOGG 2014による旧表記では「O2*(O-M268*, subclade-F993)」である。

高向漢人玄理

飛鳥時代の渡来系の学者・高向漢人玄理(たかむこのあやひとくろまろ, 別名:高向博士黒麻呂)のY染色体は、ハプログループO1b1a2a(O-F993)であると推定されている(注1)。

大化2年(646)2月まで、朝鮮半島南部の任那は高麗・百済・新羅とともに日本へ朝貢していたが、日本は同年9月に、高向漢人玄理を新羅へ派遣し、これまでの「任那の調」の代行納入を新羅に求めることを廃止して、人質として金春秋(後の新羅・第29代 武烈王)を日本へ送るよう求めた。これを受けて金春秋は、人質として来日した(注3)。
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注1)The Takamuko clan of Japan claims agnatic descent from Cao Pi, who was the first Emperor of the state of "Cao Wei" and the eldest son of "Cao Cao". This suggests that the Takamuko clan also belongs to Y-DNA haplogroup "Haplogroup O-P31 (Y-DNA)". The Takamuko clan is most famous for Takamuko no Kuromaro.
注2)ISOGG Tree(ver.11.316)による表記。原文のISOGG 2014による旧表記では「O2*(O-M268*, subclade-F993)」である。
注3)吉田孝 『日本の誕生』 岩波書店〈岩波新書〉、1997年6月、101頁、ISBN 4-00-430510-1


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  • 最終更新:2017-06-21 12:48:51

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