DNA鑑定結果が公表されていない有名人

ハポン姓のスペイン人

日本政府が費用を負担してハポン(Japón/Xapón)姓のスペイン人に対してDNA検査を行っているが、一向に結果が発表されない(注1)(注2)(注3)。


伊達政宗

伊達政宗(Date Masamune)のY染色体。
昭和54年(1979年)に瑞鳳殿、昭和60年(1985年)に感仙殿、善応殿が再建された際に行われた墓室の学術調査において、政宗公・忠宗公・綱宗公のご遺体の一部を検体として用い、 名古屋大学医学部法医学教室でHLAクラスII遺伝子型タイピングによる伊達家三藩主のDNA解析が行われた。このDNA解析では、忠宗公のみ特殊な環境下で残存していた軟部組織を用い、政宗公と綱宗公は毛髪を用いてDNA鑑定を実施。通常毛髪は、ゲノムDNAが少ない上に、PCR増幅を阻害するメラニンが含まれているため、DNA抽出には、CTAB法などを用いてPCR阻害物質を除去し、高分子DNAのみを回収する工夫が用いられた。これらの手法を用いて、300年~350年前の試料から、HLAクラスII遺伝子型を判定することに成功し「HLA-DQA1」と「HLA-DPB1」の遺伝子解析が行われた(注1)。

遺伝子名 伊達政宗 伊達忠宗 伊達綱宗
HLA-DQA1 *0103 / *0103 *0101 / *0103 *0103 / *0103
HLA-DPB1 *0402 / *0402 *0402 / *0501 *0402 / *0501

注1)『伊達政宗公とDNA鑑定』DNA JAPAN

ジョヴァンニ・バッティスタ・シドッティ

ジョヴァンニ・バッティスタ・シドッティ(Giovanni Battista Sidotti, 1668-1714)のY染色体。
2014年に切支丹屋敷跡地を発掘したところ3体の人骨が発掘され、国立科学博物館などの調査により、1体はシドッティ、残りの2体の人骨は、1人は日本人、もう1人はDNAが残っていなかったため分析不能という結果が2016年4月に公表された。調査報告書は2016年7月に刊行予定と報じられた(注1)。国立科学博物館では発掘された遺骨をもとにシドッティの頭部の復元像を制作し、2016年11月8日に公開された(注2)。

注1)『シドッティ神父の遺骨と「ほぼ断定」』カトリック新聞オンライン(2016.4.7)

アンジェリーナ・ジョリー・ピット

アンジェリーナ・ジョリー・ピット(Angelina Jolie Pitt, 1975-  )のmtDNA。
2013年5月に掲載された『ニューヨーク・タイムズ』への寄稿文で、ジョリーは乳癌と卵巣癌の発生が高くなるとされる遺伝子「BRCA1」に変異があるとして、乳癌予防のために両乳腺を切除する手術を受けたことを明かした。これは、医者から「乳癌になる可能性の確率が87%」だと診断されたことを受けたもので、ジョリーの母も卵巣癌で早逝(2007年・56歳没)したことも影響しており、乳癌リスクを抑えるためでもあるとしている。この手術の公表は世界的に大きなインパクトを与え、「アンジェリーナ効果(The Angelina Effect)」と呼ばれた。この手術の影響は著しく、日本でも乳房予防切除手術の倫理申請を行う動きが出ている[62]。



  • 最終更新:2017-09-22 17:39:55

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